夏の訪れと共に、新たな季節の始まりを迎え、皆様におかれましてはいかがお過ごしでしょうか。
暖かな日差しを感じながら、私たちの病院では、医療の質をさらに高めるべく、重要な研修会を開催いたしました。
先月、当院は「医療安全・倫理合同研修会」を実施し、
この分野で著名な認定NPO法人ささえあい医療人権センターCOMLの理事長、山口育子先生を講師としてお迎えしました。
山口先生には、「患者・家族からみた医療安全と倫理」というテーマで、心に残る講演をしていただきました。
先生の貴重な患者体験と、COMLでの相談事例を基にしたお話は、私たち医療従事者にとって、自身の実践を振り返る貴重な機会となりました。
講義の中で、山口先生は医療の歴史に触れ、「お医者様は神様」とされた時代から、
「説明と同意」を求める時代へと移り変わったことを説明されました。
しかし、医療者による「説明」を患者さんが完全に理解し、同意することは多くの困難を伴います。
そこで現在、私たちは「Shared decision making(共有意思決定支援)」の時代に入っていると山口先生は指摘されました。
医療提供の過程で、「共に決めていく」ことの重要性を強調し、
そのためには医療者側のコミュニケーションスキル(笑顔、まなざし、言葉遣い)を向上させ、
患者さんの声に耳を傾ける姿勢を持つことが不可欠だと感じさせられました。
私たちが目指すのは、患者さん一人ひとりが「その人らしく生きるため」の医療を「共に決める」「支える」ことができる病院です。
このビジョンを実現するために、私たちはこれからも努力を続けて参ります。
医療は常に進化し続けています。
私たちもその流れに乗り遅れることなく、患者さんと共に歩んでいきたいと思います。
今後とも、皆様の温かいご支援とご協力をお願い申し上げます。